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MAGAZINE
Vol.2

パタンナーはお客さまの
“気持ちを形にする仕事”

裏方なイメージでなかなか表に出てこない仕事のひとつ、パタンナー。そんなパタンナーという仕事を色々と探るため、新卒から勤め上げている竹澤さんに伺ってみました。
パタンナーの仕事の流れや、ナカノアパレルのパタンナーの特徴、彼女がパタンナーとして大切にしていることなど、”パタンナーのアレコレ”を深掘りしてきました。

プロフィール

竹澤祐貴子

文化服装学院卒業後、ナカノアパレルへ入社。

一 今回、ナカノアパレルのパタンナーのお仕事についてお伺いするのですが、まずはじめに竹澤さんはなぜパタンナーになろうと思ったんですか?

竹澤祐貴子(以下竹澤):
なぜなろうと思ったかと言われれば難しくて…自然とパタンナーになった部分があります。
私は小さい頃からモノを設計して形にするのが昔から楽しくて。
マンガ雑誌「りぼん」に付録でついてくる箱つくるのが好きだったり、サイコロ作るのが好きだったり、マッチ箱作ったりしてました。少し根暗な趣味かもしれません…
そんな感じでとにかく何かモノを組み立てるのが好きな子でした。
だから文化に入っても華やかなデザインを作ろうとか、そんな思いは全然なくって設計をするパタンナーの方がいいと思ったんです。
なので自然な成り行きと言えば成り行きです。
あと文化の人ってみんな個性的でこだわりが強い同級生が多かったんですが、”どこどこのブランドに行きたい!”とか正直一切なかったんです。
少し文化の中ではある意味珍しい存在だったのかもしれません。
なので正直今もパタンナーに向いているか向いていないかもわからない。
向いていないかも…と思いながらも日々、楽しんで仕事を行っています。
でも14年変わらずに新卒の頃から働いているので、働きやすい環境なのは確かです。

TOPIC 1.
パタンナーの仕事はどんなことをやる?



一 パタンナーのお仕事は裏方なイメージで、縁の下の力持ち的な存在だと思っています。故に何をやっているのかわからないところが多いなと思っています。竹澤さんは普段どういったことを作業しているのでしょうか??

竹澤:
確かに結構地味な作業が多いかもしれません。細かな作業も多いのですが、洋服を作り上げる上でとても大切な仕事であると思っています。
簡単にですが、仕事の流れをまとめてみました。

[パタンナーの仕事の流れ]
お客さまから絵型やイメージ写真等をいただきます。打ち合わせも行い、イメージのすり合わせを行います。お客さまのイメージや頭の中を汲み取ることが大切です。

CAD(作図するソフトのこと)でパターンを作成します。昔は紙で引いていましたが、現在はパソコンのソフトで行っているのでとても便利になりました。現在では3D CADの導入も進んでいます。

プロッター(アウトプットする機械)で型紙(紙)を出してトアル組みをします。

パターン作成後に工場にサンプル制作のために指示を出します。また洋服の細かな始末方法を書きます。縫製仕様書も書きます。

必要があれば、サンプルを制作する際のポイントを伝えるため、工場と話すこともあります。細かなデザインなど意思疎通が図りづらい場合はコミュニケーションを図ります。|

サンプル作成後、検寸検品をします。検寸は完成したサンプルが仕様書通り正しい数字になっているか、確認するために行います。検品は着用可能か?お客様の希望の仕様通りになっているか?等を確認します。ボディ(マネキン)に着用させて検品もします。

工程分析表を確認します。工程分析表とは、服のデザインから作業手順や使用するミシンを検討した上で、1着当たりの作業時間を割り出し、工賃を求めるためのものです。ここでサンプルの値段や、量産の値段も見えてきます。

工程分析表を見ながら、営業担当と話し合います。お客さまの求める価格なのか確認します。もし合わない場合は対策を営業担当とともに考えます。

竹澤:
以上がパタンナーの仕事内容です。細かな作業も多いのですが、どれもとても大切で欠かせないものです。

一 サンプルが出来上がって量産をお客さまへ提案できるまで流れが把握できました。ありがとうございます。では竹澤さんがパタンナーを務める上で、”これは大切にしている!”と考えている部分などありますか??

竹澤:
私が一番重要視しているのは、お客さまとのコミュニケーションです。
パタンナーはお客さまの気持ちを”形にする仕事”だと思っています。だからお客さまが言ったことだけではなくて、1を聞いて5を把握するような感覚を大切にしています。
お客さまとは外部の人間だけど、お客さまのブランド内部の人間のような気持ちになって動く。ここが一番大切なのかなと思っています。そうでないとお客さまの考えを汲めないと思います。
また当社のパタンナーは他社とは少し異なっていて、営業的な動きもするところが特徴です。実は商談もこなしますよ。

TOPIC 2.
パタンナーなのに営業!?



一 パタンナーなのに営業的な動きもするんですね!そこはナカノアパレルと他社のパタンナーの違いですね。では詳しくどんなところが異なるか教えていただけますか??

竹澤:
先ほど言ったように営業的な動きのところで商談にも参加します。
他社のパタンナーは営業マンがお客さまから汲み取ってきたものを形にするのが、主なパタンナーの動きだと思うのですが、当社はそれだけではなくパタンナーも営業マンに同行しお客様と商談をすることもあります
その場でお客さまのイメージや考え、ニーズを直接聞くことでパタンナーとしても形にしやすくなると私は思っています。
この方こういう人だよね”、”このブランドこういう方向性だろうな”というのを自分で考えながら修正を自分で行います。直接お伺いしないとわからない事もたくさんあります。
ここは他社と違う大きなナカノアパレルのメリットなんじゃないかなと思っています。密に意見を聞いてくれて、形にしてくれる。お客さまにとっては私たちのようなパタンナーが近くにいるからこそ細かなこともすぐに相談できるという環境があること。それも含めて安心してご依頼くださっているのではないかと考えております
パタンナーって内向的なイメージに思われがちですが、外に出るのがナカノアパレルのパタンナーです。そしてお客さまと喋りながら商品内容をつめたりするのも楽しい業務の一つです。実際にこの取材前にも2件の商談をやってきました。

一 まだ13時すぎですが、結構ハードですね。

竹澤:
色々やらなくてはいけないことも多いのは事実なですが、初めにも言った通り楽しんでできています。パタンナーはお客さまの気持ちを”形にする仕事”なので、直接声を聞けるのは嬉しさもありますね。
そのほかにも私は数ブランド自分が担当させていただいているのですが、当社はレディース商品のみならず、メンズからキッズまでパターンをひくこともあります。
色々なジャンルのものをひけるという魅力はとてもありますね。

一 レディース、メンズからキッズまで幅広くやるのはすごいですね。ナカノアパレルは自社工場があるのが特徴かと思うのですが、どのように使い分けを行って工場設定をしている等はあるのでしょうか?また正直な話、クオリティに差はあるのでしょうか?

竹澤:
クオリティに差があるということは全然ないですね。ただ工場の特性は若干異なります。山形工場はとても丁寧で”日本の工場だな”という具合にきちんとしている。一方中国・無錫工場はそれに加えより複雑でより多彩なアイテムの生産が可能で、新しい機械を使いこなしたり、効率化へ向けての発想が豊かです。
山形工場無錫工場常に連携も取り合っています。”こっちの工場はこういうことやっているよ”などお互いを高め合ったりしていますね。
工場設定においては、お客様からの特別なご指定がない場合は、パタンナーからの技術的な観点による情報も含め、営業マンがコスト面、納期面を検討しお客様へご提案しておりますその為、無錫工場でした商材を山形工場で追加生産することもあります。

一 ありがとうございます。では最後にはなりますが、ナカノアパレルにどんな方が入社してくれると嬉しい等ありますか??

竹澤:
イケメンに入って欲しいです。というのは半分冗談ですが、半分本気です!
明るくて仕事に前向きな人はナカノアパレルには合っていると思います。
例えば私のパタンナーという仕事だと、パタンナーだけ!というよりハイブリッドにお客様と関わってやってやる!と楽しめる人。色々な経験ができますし面白いと思います。
そんな前向きでエネルギッシュな人はナカノアパレルには合っていると思います。

UPDATE :
Oct.1st.2021